私、槐がHSPという言葉に出会ったのはもう20年程前、20代前半の頃です。
アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士の書いた青いクマさんの表紙の「ささいなことに動揺してしまうあなたへ」という本を手に取ったのが最初です。
元々の自分の持っている性質がどうにも扱いづらくて悩んでいました。他の人が容易くやっているように見えることが自分にはとてもハードルが高い、普通に学校に行って帰ってくるだけで疲れ切ってしまう。自分ではない人が怒られているのを見るだけでとても辛くてその場から逃げたくなってしまう。タフであることを求められている社会で自分の居場所がないように感じている‥そんなあなたはおかしくないよ、その敏感さを持っていることはあなたの元々の性質であって決して欠点ではないと教えてくれました。
HSPは今はだいぶ世に浸透して、HSPとスピリチュアルが同時に語られることも少なくありません。本の中でも語られている通り、HSPは夢(睡眠中みる夢)の話やスピリチュアルな話が好き、という特徴もあるので自然なことなのかもしれません。
アーロン博士は全人口の二割にあたる人がHSPに当てはまり、特に日本人にはHSP特性の人か多いと言っています。
HSP診断テストはアンケート形式なので、主観的な質問(例えばとても良心的である、など)もあり、本が出た当時から心理学の専門家の中では客観性に欠けるのでは、という意見もあったそうです。
それでもHSPという概念を知って私が楽になったことは事実でしたし、自分の特性を受け入れて理解しその特性に合った生活スタイルや思考を選んでいくことで生きることが楽に、自分を少しでも好きになりたいと思うきっかけになりました。
スピリチュアル・ヒーリングの世界ではHSPはいわゆる受けやすい体質、と言われる方の性質と重なるところが多いですね。
受けやすい人は周囲の変化に敏感、気遣い上手、周囲の人や環境の影響を受けやすくNOというのが苦手なタイプの人が多いです。自分自身よりも周囲の要求を優先してしまうのは周囲の人の感情や思考の流れに敏感であるためです。
自分自身の状態よりも周囲の気配を敏感に察知することに敏感なセンサーを使うことに慣れきっているとそれが当たり前で、エネルギーを奪われることが日常になっています。理不尽な対応をされてもまず動揺を鎮めるのが精一杯、何時間も経ってから怒りや悲しみが湧いてくることも少なくありません。
スピリチュアル的な観点からの対策としてはしっかり自他の境界線を持つこと、プロテクトを貼ること、グランディングすることなどがあります。
HSPであることの特性はエネルギーワーク、ヒーリング、チャネリングにもってこい!なものばかりです。感情や思考のエネルギーが生まれつき読めるのですから、その能力を活かして他者へのリーディングやチャネリングができます。
その前にしっかり自分を守る術としてセミナーや講座でエネルギーワーク、ヒーリング技法を学ぶことで自他の境界をはり、自分を守ることと自他へのエネルギーの流し方を学ぶことで、文字通り周囲の悪影響を受け流すことができるようになります。
この自分を守ることがとっても大事です。そのすべを持たないまま他者の情報を読むことだけを始めてしまうと、受けやすさに磨きがかかって余計にしんどい思いをして心身ともに疲れ切ってしまう方が少なくありません。
せっかく素晴らしい自分の性質に気付いたのに、燃え尽き症候群になってスピリチュアルから遠ざかってしまう方が多いのも現実です。
当サロンのチャネラー養成講座、ヒーラー養成講座ではエネルギー的な自他の境界線の貼り方はもちろん、心理的な境界線の貼り方についてもお話ししています。プロのヒーラー、チャネラーとしてに燃え尽きないで長く活躍していって欲しいからです。
心理感情面では周囲の人の機嫌の良し悪しはその人の問題である、と認識を改めること。そして何よりもまず自分自身を一番に守ることを自身に約束することが大切です。自分自身の感情に敏感になる練習をしていくと自分を愛することに繋がっていきます。
なぜ私は違和感を感じているの?何が嫌な感じなのかな?と自身に問いかけることで自然とインナーチャイルドとの対話ができるようになっていきます。一昼夜ではわからなくとも何度もトライしていくこと、日々練習が必要です。自分がおざなりにされていると感じると私は心と体でこう感じるんだな、じゃあこの苦しさを軽減するためにどうしてあげたらこの子(自分自身)はもっと楽に幸せを感じてくれるかな?と考えられるようになれば自分を大切にする一歩を踏み出したと言えるでしょう。